「坂道ジョグ」でLT閾値強化!心拍&パワーを意識した15kmビルドアップ走
「LT閾値を上げたいけど、追い込むのがキツすぎる…」
そんな悩みを抱えるランナーにぴったりなのが、坂道を活用したビルドアップ走です。
今回は心拍ゾーンとランニングパワーを意識しながら、坂道を使って効率よくLT強化を狙ったトレーニングを実践しました。
坂道ジョグとLT走:心拍とパワーを活かした効率的ビルドアップ法
今回のテーマは「4:45/kmペースからのビルドアップ走」。
坂道を活かして、後半に自然とペースが上がるよう設計し、心拍ゾーンとランニングパワーに注目して走りました。
【練習データまとめ】
・距離:15.01km
・時間:1:11'00
・平均ペース:4'44"/km
・最大心拍数:175bpm(平均153)
・平均パワー:206W(最大431W)
・ストライド:平均116cm
・獲得標高:上り280m/下り286m
■ 序盤は有酸素ゾーンでリズムを整える
1~2kmはアップを兼ねて5:00/km前後のペースで巡航。
坂によるペース変動はありましたが、心拍はLT以下に抑えて効率よく有酸素域を刺激しました。
ラップ2〜5では自然とペースが上がり、4:30/km前後までビルドアップ。心拍は150台前半を維持し、呼吸も安定。
■ 中盤〜後半はLT閾値ゾーンで粘る
8km以降は本格的なビルドアップフェーズへ突入。
・7〜8km:4'19"/km ・8〜9km:4'08"/km
と、LT閾値を超えるゾーンで脚と心肺にしっかり刺激を与えました。
この区間では乳酸性作業閾値(Lactate Threshold)ゾーン=心拍155〜165bpmに滞在。
坂道でも骨盤前傾・脚の押し出し・ストライド維持を意識し、効率よく粘る走りを実践。
■ 練習効果と今後の活用方針
トレーニング効果(TE)は「有酸素3.1/無酸素3.7」と、LT領域への刺激が十分に確認できました。
パワーゾーン分析では、有酸素ゾーン:64%/乳酸性閾値ゾーン:51%と理想的な配分に。
感覚的にも「苦しいけど粘れる」ゾーンでの走りができ、レースを想定した良質なトレーニングになりました。
今後はこの坂道LTジョグを週1回の習慣にし、疲労を抑えながら閾値強化を図ります。
ラップ | 距離 (km) | 平均ペース | 平均心拍 | ストライド (cm) | 上昇 (m) | 下降 (m) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1.84 | 5'53"/km | 137 | 102 | 42 | 25 |
2 | 1.80 | 4'51"/km | 155 | 117 | 36 | 36 |
3 | 1.80 | 4'49"/km | 147 | 114 | 33 | 35 |
4 | 1.82 | 4'32"/km | 154 | 119 | 33 | 35 |
5 | 1.77 | 4'33"/km | 157 | 118 | 32 | 35 |
6 | 1.84 | 4'26"/km | 157 | 120 | 34 | 35 |
7 | 1.85 | 4'19"/km | 158 | 122 | 34 | 34 |
8 | 1.81 | 4'08"/km | 162 | 126 | 33 | 33 |
9 | 0.48 | 5'57"/km | 155 | 98 | 3 | 18 |
▶ 【マラソンのスピード練習:効果的なトレーニング法とその効果】
坂道ジョグで分泌されるホルモンと快感の関係
坂道ジョグをしていると、「なぜかキツいのに気持ちいい」と感じたことはありませんか?
実はこの感覚、ホルモン分泌が深く関係しています。
脳と身体が連携して、「やる気」「集中力」「快感」を生み出しているのです。
苦しさの先にある「脳内報酬」ドーパミンとは?
ドーパミンは「努力×達成」で放出される脳内ホルモン。
特に、坂道のような負荷の高い練習をやり遂げたとき、その快感は一層強くなります。
苦しさの中でペースを維持し、最後まで走り切れた瞬間にドッと分泌されるドーパミンは、「また頑張ろう」と思える報酬回路として働きます。
坂道でやる気が爆発する理由:テストステロンとノルアドレナリン
テストステロンは「やる気・闘争心・自己向上心」に関わる男性ホルモン。
「今日の自分を超えたい」「記録を出したい」という感情が、このホルモンを刺激します。
また、ノルアドレナリンは「集中力・瞬発力」を高めるホルモン。
坂の中盤〜後半、呼吸が上がり「キツい!」と感じた時、強く分泌され、スパートのトリガーになります。
この2つが合わさることで、「もう無理…」からのギアチェンジが可能になります。
「限界を越える走り」はホルモンがカギだった!
坂道ジョグで感じる達成感や快感は、単なる精神論ではありません。
ドーパミン、テストステロン、ノルアドレナリン──この3つが揃うことで、
ランナーは「ゾーン」に入り、限界突破の走りができるのです。
特に後半ペースアップ型のビルドアップ走は、このホルモン連鎖が起こりやすく、記憶にも快感として刻まれる練習になります。
坂道ジョグは、ただの筋トレや負荷走ではなく、脳を活性化し、成長を促すトレーニング。
辛いと感じたその瞬間が、実は一番成長している証かもしれません。
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