初心者から上級者まで、マラソンでの成果を最大化するための鍵となる考え方を紹介します。
私自身の経験を元に、速さを伸ばすための具体的なフルマラソンの走り方を論理的に理解してみましょう。
フルマラソンは、体力、戦略、そして精神力が要求されます。
この記事では、マラソンランナーが直面する「30kmの壁」を克服し、最適なパフォーマンスを実現するための重要な、栄養管理、エネルギー消費の原則を解説します。
初心者から上級者まで、フルマラソンを成功に導くための効果的なアプローチを提供し知識を共有します。
マラソンの壁:30km地点におきる現象
バナナぴろしが初めて走った、フルマラソンは、さいたま国際マラソンでした。
初めてのフルマラソン
不安を抱えてスタートしましたがゴールした時の感動は、本当に格別でした。
さてさて
フルマラソンでベストを更新しようとする人は聞いたことがある言葉。
もしかしたら、初心者のランナーにはなじみが無いかもしれない言葉
それは、
30kmの壁
さて、私の30kmの壁
さいたま国際マラソンで発生した壁は35kmでした。
これが、さいたま国際マラソンでの2km毎のラップです。
距離 km | ラップ |
---|---|
1-2 | 5'10" |
3-4 | 4'40" |
5-6 | 4'32" |
7-8 | 4'30" |
9-10 | 4'26" |
11-12 | 4'30" |
13-14 | 4'29" |
15-16 | 4'28" |
17-18 | 4'32" |
19-20 | 4'30" |
21-22 | 4'36" |
23-24 | 4'33" |
25-26 | 4'34" |
27-28 | 4'32" |
29-30 | 4'28" |
31-32 | 4'35" |
33-34 | 4'34" |
35-36 | 4'38" |
37-38 | 4'52" |
39-40 | 5'08" |
41-42 | 4'45" |
42.195 | 4'25" |
34kmまでは、4'30付近で走れていますが、その後から、かなりきつくなりました。
後半、急にきつくなる距離が30km地点が多いとのことで、
そこの距離を30kmの壁といいます。
理論的に学ぶ:フルマラソンの効率的な走り方
前置きはこのくらいで、今回の話にうつります。フルマラソンの走り方を論理的に理解しよう。
【根性ではどうにもなりません】についてです。
なぜ30kmの壁がやってくるのか?
難しい話しが出てきますが、走力を向上しパフォーマンスを上げたい方は是非理解してください。
そして、練習にとりれてください。 そうすることで
様々な練習の意味を理解させてくれます
頭を使った練習をする事で、トレーニングが楽しくなります。
では、いきます
- 初心者のランナー
- フルマラソンのPB更新を狙ってる人
- サブスリーを狙ってる人
フルマラソン大会に向けて、多くのランナーが次のような戦略を考えることがあります。
最初は速く走ってリードを築き
最後は根性を発揮して、気力でゴールを目指す。
そして、PB(パーソナルベスト)でフィニッシュ
そう考えて、フルマラソンを走ろうと大会に望む人が多いと思います。
このような戦略は、箱根駅伝の影響を受けた人に多いのかなって思います。
最後の力を振り絞り、襷を渡してゴールする姿は、多くのランナーにとって理想のゴールです。
見てて、カッコいいです。
自分もそういう走りをしたいです
はい、結論から言います。
フルマラソンでは、このような走り方は現実的ではなくとっても難しいです。
やる場合は、ハーフマラソン以下でやりましょう。
今回の内容について勉強した理由は、あるフルマラソン大会で撃沈したからです。
それは、
さいたま国際マラソンから4ヶ月半後の佐倉朝日健康マラソン
ここでサブスリーを本気で狙いました。
ウォークブレイクを取り入れることを決意
全ての体力を出しきり気合と根性でゴールする
そして泣く😭
結果
3時間27分47秒
さいたま国際マラソンのベストタイムより、11分も遅くなりました。
30kmの壁といいますが、そのときの壁は25kmでやってきました。
佐倉朝日健康マラソンのラップです。
だんだんと、遅くなり、めちゃ、歩きました。
表のラップの中に、ウォークブレイクの歩きがところどころ入っています
距離 | スピード |
---|---|
2.0km | 4'22" |
4.0km | 4'18" |
6.0km | 4'09" |
8.0km | 4'09" |
10.0km | 4'21" |
12.0km | 4'17" |
14.0km | 4'09" |
16.0km | 4'17" |
19.0km | 4'10" |
22.0km | 4'26" |
25.0km | 4'29" |
28.0km | 4'38" |
30.0km | 5'11" |
34.0km | 5'35" |
37.0km | 5'43" |
39.0km | 5'48" |
41.0km | 6'52" |
42.0km | 6'33" |
そこで、壁といわれる足が動かなくなる現象ははなんなんだ?
身体の中で、どうなってるんだ?
考えました。調べました。
体の内側から理解する:フルマラソンとATP生成
1つ聞きます。気合と根性でフルマラソンという長い距離を速いペースで走れるか?
答えは、無理です。
その理由は、体内でエネルギーが生成される特定のメカニズムがあるからです。
エネルギー生成の理由を聞けば、納得してもらえます。
ここからは、エネルギー生成の基本原理と、それがフルマラソンのパフォーマンスにどう影響するかを解説します。
もしかしたら、省略している事があるかもしれませんが基本はあってます。
少々専門的な内容や言葉が出てきますが、理解することで、マラソンにおけるエネルギー管理の重要性が明らかになります。
筋肉活動の主要なエネルギー源は、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれます。
以下の図で、エネルギー生成のプロセスを視覚的に理解してみましょう。
上の図の右上のATP(アデノシン三リン酸)ってあります。これは?何?
ATPは、筋肉の収縮に必要なエネルギーです。
おお、これって、フルマラソン絶対必用なものだ。 って思いませんか?
そうです。
エネルギーをなくしては、身体は動きません。
つまり、走れません。
では、この重要なエネルギー、ATPはどのようにして生成されるのでしょうか?
答えはミトコンドリアにあります。
ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを生成するための「発電所」とも言える構造です。
このミトコンドリアが、栄養素を燃焼させてATPを生成するのです。
ミトコンドリアって聞いたことありますせんか?
顕微鏡で見る生き物です。
冗談です。
これはミドリムシですね。
もう一度かきます。
ミトコンドリアが燃焼してエネルギーを作成する。
これがミトコンドリアです。ミドリムシに似てると言えば似てますね(笑)
糖質と脂質の燃焼:マラソンエネルギー管理の基本
先ほど記載しました。 ミトコンドリアが燃焼してエネルギーを作成する。では、燃焼には何が必要?
燃焼には、主に【糖質】と【脂質】が必要です。
これらの栄養素は、体内でエネルギーを生成するために使用されます。
体内でエネルギーとして使われる【糖質】は、筋肉や肝臓にグリコーゲンとして蓄積され、
筋肉には約1500Kcal、肝臓には500Kcal以上が貯蔵されています。
これらは特に高強度の運動時に速やかにエネルギー源として利用されます。
また、もう一つのエネルギーとして使われる【脂質】は、体内の脂肪に蓄えられ、
脂肪1kgあたり約9000Kcalのエネルギーを含んでいます。
脂質は長時間の持久力を要する活動や低~中強度の運動で主に使用されます。
エネルギーの源となるATPは、糖質や脂質がミトコンドリアで燃焼することによって生成されます。
これらの栄養素が不足すると、ATPの生成が低下し、筋肉の動きが悪くなります。
また、脳の活動にも糖質が大量に消費されます。考えながら走ると糖質の消費が増え、燃費が悪くなります。
エネルギーはガソリンと思ってください。
ガソリンが無くなったら車は動きませんよね。
つまり、ATPが生成されないと筋肉は動きません。
フルマラソンを走るためには、大量のカロリーが必要です。
消費カロリーの計算式は「消費カロリー
=
体重(kg)×時間(h)×運動強度(METS)×1.05」で、
体重60kgのランナーがサブスリー(3時間以内)を達成するには約2,700kcalが必要です。
先に説明したように、糖質の貯蔵量は2000Kcalです。
- 【糖質】は高強度の運動
- 【脂質】は低~中強度の運動
少ない【糖質】エネルギー
無尽蔵の【脂質】エネルギー
の2種類があり
体内の【糖質】は限られているため、これが枯渇すると高速で走ることが難しくなります。
脂質はエネルギー源としては無尽蔵に思えますが、高速で走るためには脂質では賄うことはできません。
体内の【糖質】エネルギーが枯渇したこと
による現象なのです。
心拍と酸素の役割:マラソンでの効率的なエネルギー利用
エネルギー代謝において、酸素と心拍数の役割は重要です。
最大心拍の60%以下の場合、体は主に脂質をエネルギー源として利用します。
例えば、最大心拍が190の場合、心拍数が104以下の時には脂質が主なエネルギー源として使われます。
このような低強度運動では、酸素を利用して脂質をATPに変換することが可能で、これは一般に有酸素運動と呼ばれます。
有酸素運動では、低強度で長時間の活動を維持することができます。
つまり、無尽蔵の脂肪タンクからエネルギーを取得できますので、長く走ることが可能になります。
一方、速く走るような高強度の運動では、素早いエネルギーの変換が必要となります。
この場合、体はより迅速にエネルギーを生成できる糖質をエネルギー源として使用します。
糖質からエネルギーを生成する過程では酸素は必要とされず迅速にエネルギーを供給できます。
このプロセスは無酸素運動と呼ばれ、副産物として乳酸が発生します。
乳酸の蓄積は筋肉を酸性化させ筋力を低下させます。
これは身体の防衛メカニズムの一部と考えられています。
したがって、高強度運動では、エネルギー源として糖質が消費され、乳酸が発生し筋肉のパフォーマンスを制限してしまう現象がでます。
フルマラソンを走る際には、一般的に約2700カロリーのエネルギーが必要とされます。
しかし、糖質だけではエネルギーが不足するため、脂質のエネルギーも利用する必要があります。
糖質が枯渇し、筋肉が酸性化すると、身体の動きが困難になり、これがフルマラソンでの「30kmの壁」として知られる状態につながります。
マラソン成功の鍵:エネルギー源とパフォーマンスの関係
結論をもう一度書きます。脂肪だけからエネルギーを取れば、エネルギー切れを起こすことはない。
しかし、糖からエネルギーを取ると、乳酸が発生し筋肉を弱めます。
フルマラソンは一般的に2700カロリー必要
糖だけでは足りません。脂肪エネルギーも使う必要があります。
先に説明したように、糖質の貯蔵量は2000Kcalです。
- 速く走れば、糖質が早く枯渇し30kmの壁が早くにやってくる。
- 遅く走れば、糖質が遅く枯渇し30kmの壁が遅くにやってくる。
- もっと遅く走れば、糖質が枯渇しないので30kmの壁がこない。
フルマラソンの距離を走っている途中で糖質が枯渇すると、体は脂質を主なエネルギー源として使うようになります。
これにより、高強度での走行が困難になるため、速く走ることが難しくなります。
つまり、エネルギーが無いため気合と根性では、速く走ることはできません。
ハーフマラソンやそれ以下の距離では、一般的に糖質が枯渇する前にレースが終了します。
足が動かなくなるのは、乳酸が発生し筋肉が酸性化しパフォーマンスを弱めるからです。
ランニングとダイエット:効果的なエネルギー利用戦略
ダイエットを目指す場合、脂肪をエネルギー源として使用することが重要です。
心拍数を50~60%の範囲で維持しながら長時間運動を行うと脂肪燃焼が促進されます。
高心拍での運動では糖質を主に使うため、脂肪減少の効果が低下することがあります。
高心拍での運動は筋肉を発達させます。脂肪からエネルギーを取らず痩せにくく筋肉が発達し体重が増える現象になります。
しかし、筋肉量が増えると基礎代謝率が上昇し脂肪の燃焼効率が向上するため、長期的にみるとダイエットにはとても有効になります。
エネルギーについての Q アンド A
質問 | 回答 |
---|---|
マラソン中に糖質が枯渇するとどのような状態になるのですか? | 糖質が枯渇すると、エネルギー不足に陥り、筋肉のパフォーマンスが低下します。 |
「30kmの壁」を克服するための具体的なトレーニング方法はありますか? | 長距離ランニングを積み重ね、体のエネルギー管理能力を高めるトレーニングが有効です。 |
フルマラソンのペース配分を考える際のポイントは何ですか? | 序盤は抑えめのペースで走り、エネルギーを効率良く使用することが大切です。 |
マラソントレーニング中の適切な栄養摂取のポイントは? | トレーニング中は糖質を中心に、タンパク質や脂質もバランス良く摂取することが大切です。 |
今回はここまでになります。
そして、次回は、とっても大事なこと。
筋肉の質について速筋・遅筋・中間筋の話も書きます。
つづく
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