フルマラソン中のエネルギー消費量
フルマラソンを完走するためには、相当なエネルギー消費が求められます。まず、この消費カロリーの計算方法を知ることが重要です。
消費カロリー(kcal)は、以下の計算式で求められます:
消費カロリー(kcal)=METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05
METs値とは?
METs値とは、Metabolic Equivalent of Taskの略で、人間の活動や運動の強度を示す指標です。1METは、安静時のエネルギー消費量を基準とし、例えば座っている状態が1METとされます。
走るなどの活動の強度はMETs値を使って相対的に表現され、フルマラソンを走る場合のMETs値は約9〜10とされています。
このMETs値を使うことで、消費カロリーを具体的に計算することが可能です。
例えば、体重70kgの人がキロ6分のペースでフルマラソンを走る場合、約4.5時間かかるとして、消費するエネルギーは以下のように求められます。
消費カロリー=10(METs)×70(kg)×4.5(時間)×1.05 = 約3,300kcal
これにより、フルマラソン中のエネルギー消費量を把握し、必要なエネルギー摂取量の補給計画を立てることが可能です。
METs値の具体例
- 安静時(座っている状態):1MET
- ストレッチング:2.5METs
- ウォーキング(キロ15分):3.3METs
- ウォーキング(キロ10分):4.3METs
- ランニング(キロ7.5分):8METs
- バスケットボール:6.5METs
- サッカー:7METs
- テニス(シングルス):8METs
- 水泳(中程度の速さ):8METs
- フルマラソン(キロ6分):9〜10METs
マラソンに必要な体内エネルギーの蓄え方
マラソンを完走するためには、十分な体内エネルギーを効率よく蓄えることが重要です。以下に、エネルギー源となる主な要素とその効率的な蓄え方について説明します。
脂質(脂肪)
脂肪は体内で最も大きなエネルギー貯蔵庫です。マラソンのような長時間の運動では、脂肪が主なエネルギー源として使われます。
脂肪を効率よく燃焼させるためには、日々のランニングにより脂肪代謝を高めることが重要です。
簡単に言うと、脂肪はエネルギーを貯蔵するための物質です。
脂肪が分解されると、グリセロールと脂肪酸に分かれこれらがエネルギー源として利用されます。糖質(グルコース)
グルコースは、血液中を流れる体内の主要なエネルギー源です。食事から摂取した炭水化物が消化されると、グルコースに分解され血液中に吸収されます。
体の各細胞は、グルコースを利用してエネルギーを生成します。
レース前には、炭水化物を摂取してグルコースレベルを最適化することが推奨されます。
簡単に言うと、血液に蓄えられている糖質です。
糖質(グリコーゲン)
グリコーゲンは筋肉と肝臓に蓄えられたエネルギー源です。グリコーゲンは、グルコースが血液上で余剰になると、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。
運動時や血糖値が低下したときには、グリコーゲンが分解されてグルコースとなりエネルギーとして使用されます。
マラソンでは、レース中に徐々に消耗されるため、スタート前に十分に蓄えることが大切です。
カーボローディングという方法で、レース前の数日に炭水化物を多く摂取してグリコーゲンを最大限に蓄えることが効果的です。
簡単に言うと、筋肉と肝臓に蓄えられている糖質です。
3. グルコースとグリコーゲンの関係
グルコースとグリコーゲンは次のように相互に変換されます:-
グルコース(血液)からグリコーゲン(肝臓や筋肉)へ:
血糖値が高いとき、インスリンの作用によりグルコースがグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。 -
グリコーゲン(肝臓や筋肉)からグルコース(血液)へ:
血糖値が低いとき、または運動中には、グルカゴンやアドレナリンの作用によりグリコーゲンが分解され、グルコースが供給されます。
マラソンレース中のエネルギー補給
レース中のエネルギー補給は非常に重要です。適切なエネルギー補給はパフォーマンスを最大限に引き出し、疲労を最小限に抑えることができます。
1. エネルギージェル
エネルギージェルは、消化が良く、すぐにエネルギーとして利用できるため、多くのランナーに愛用されています。エネルギージェルは、小さく持ち運びが便利で、エネルギー補給のタイミングを計画的に行いやすいです。
特に、エネルギー切れを感じる前に摂取することが効果的です。
2. スポーツドリンク
スポーツドリンクは、エネルギー補給と同時に水分補給も行えるためランナーにとって非常に便利です。スポーツドリンクには、電解質が含まれており、汗で失われたナトリウムやカリウムを補給することができます。
これにより、筋肉の痙攣を防ぎ、持久力を維持することができます。
レース中は、定期的に少量ずつスポーツドリンクを摂取することが重要です。
3. バナナ
バナナは、自然な糖分とカリウムを含む優れたエネルギー源です。バナナは消化が良く持久力をサポートするために必要なエネルギーをすばやく提供します。
レース中にバナナを摂取することで、エネルギー切れを防ぎ、疲労を軽減することができます。
4. エネルギーバー
エネルギーバーは、固形のエネルギー補給食として便利です。エネルギーバーは、炭水化物、タンパク質、脂質のバランスが取れており、持久力を必要とするマラソンランナーに適しています。
レース中に少量ずつかじることで、エネルギーを補給し続けることができます。
エネルギージェルがエネルギーに変わる時間
エネルギージェルなどの補給食は、摂取後すぐにエネルギーとして利用できるわけではありません。一般的に、摂取後約15~30分でエネルギーとして使われ始めます。
そのため、計画的な補給が重要です。
エネルギージェルの消化と吸収のメカニズム
エネルギージェルに含まれる糖質は、口腔内でわずかに分解された後、胃を通過し、小腸で本格的に吸収されます。小腸内壁には、腸絨毛と呼ばれる多数の突起があり、ここで糖質が吸収されます。
吸収された糖質は、血流に乗って全身の細胞に届けられ、エネルギーとして使用されます。
エネルギージェルの摂取が運動パフォーマンスに与える影響
複数の研究により、エネルギージェルの摂取が運動パフォーマンスに与える影響が確認されています。例えば、アスリートを対象とした研究では、エネルギージェルの摂取により、運動中の持久力が向上し、疲労感が軽減されることが示されています。
また、グリコーゲンの枯渇を遅らせ、持続的なエネルギー供給を可能にするため、エネルギージェルは特フルにマラソンで有効とされています。
計画的なエネルギー補給の重要性
レース中にエネルギージェルを摂取するタイミングは非常に重要です。エネルギージェルは即効性がありますが、消化・吸収に一定の時間がかかるため、事前に補給計画を立てることが必要です。
一般的には、レース開始前30分、レース開始後30分から1時間ごとにエネルギージェルを摂取することが推奨されます。
これにより、エネルギーレベルを安定させ、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。エネルギージェルを摂取する際には、適切な水分補給も重要です。
エネルギージェルは濃縮された糖質を含むため、消化・吸収をスムーズに行うためには水分が必要です。
水分が不足すると、消化不良や胃腸の不快感を引き起こす可能性があります。
したがって、エネルギージェルを摂取する際には、同時に200ml程度の水を摂取することが推奨されます。
フルマラソンのためのエネルギージェル活用法
フルマラソンでは、エネルギー補給がパフォーマンスに直結します。エネルギージェルを適切に活用することで、エネルギー切れを防ぎ、安定したペースで走ることができます。
エネルギージェルの使いかた
バナナぴろし推奨は、レース開始時にエネルギージェルを2個持って走ることをおすすめします。最初の10キロメートルまでに2個のゼリー約400キロカロリーのエネルギーを摂取することが理想的です。
これにより、体内のグリコーゲンを節約し、後半のエネルギー切れを防ぐことができます。
レース前の準備
走りながらエネルギーゼリーを摂取することは、トレーニングが必要です。普段の30km走の開始時にエネルギーゼリーを2個持って、10km走るまでに飲み切る
本番前に、何度もトレーニングをする事をオススメします。バナナぴろしのサブスリー、サブエガ、またハーフマラソンのPBの時も、レースはこの方法を行っています。
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